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実は色々ある、SDSの分類
「Software-Defined Storage」について調べようとしたとき、同じSDSと呼ばれる製品でも特性が大きく異なり、戸惑った経験のある方も多いのではないでしょうか。実際のところSDSという用語の定義は曖昧であり、アプライアンス製品、ストレージ管理用ソフトウェア、分散ストレージなど、その意味するところは語る人によって違うというのが実情です。
もちろん我々も「IzumoBASEの考えるSDS」について語ることは可能ですが、まずは皆様にSDSに関する俯瞰的な視点を提供したいと考えています。そうした目的において、テクノシステムリサーチ社 幕田氏によるSDSマッピングが非常に有用なので、今回許可を得て引用させていただきました。
SDSの分類について
ここではSDSをControl、Virtualization、SBS(Software Based Storage)、外付けストレージのSW化、Hyper Convergedというカテゴリに分け、提供形態(ソフトウェア/ハードウェア)を左右にマッピングしています。
いくつか象徴的な製品を取り上げると、Control-SWにカテゴライズされるViPRはEMC以外にもNetApp、HP、日立などのストレージを統合管理します。ViPR単体でストレージを構築するものではなく、筐体をまたいだディスクの仮想プール化や、異なる管理体系のストレージをViPRから共通の操作で運用できるようするなど、管理系の機能を提供します。
外付けストレージのSW化としてはVirtual VNXが、EMC VNXシリーズのエントリーモデルであるVNXeをソフトウェアで提供しています。今後はこのようなエントリーモデル以外にもソフトウェア化の波が広がっていくのではないでしょうか。
上記のマッピングの中では、Control-SW、SBS、Hyper ConvergedのカテゴリがSDSとして言及される機会が多いかもしれません。Control-SWは先に紹介したようにストレージ管理用ソフトウェアなので、単体でストレージを構築できるSBSおよびHyper Convergedとは毛色が異なります。SBS、Hyper Convergedのカテゴリの製品には分散ストレージが多く含まれています。可用性と拡張性の高さがSDSの特徴として謳われることもありますが、これらは一般的に分散ストレージが持つ特徴といえます。
ハードウェアベースとソフトウェアベースの違い
製品の提供形態としてはハードウェアとソフトウェアがありますが、前者はベンダーの提供する専用ハードウェア上で動作するため、後者と比較すれば性能などの事前予測がしやすいというメリットがあります。
一方でSBS-SWであれば、機種、容量、性能の異なるIAサーバ等を組み合わせて分散ストレージを構築することが可能です(製品によっては構成上の制約があります)。構成の柔軟性が高く、コストパフォーマンスにも優れます。ソフトウェアとハードウェアが深く結びついた「ストレージ専用装置」の時代からの脱却を目指す新しい製品群です。
以上が大まかなSDSの分類となります。次回の記事では、IzumoFSも含まれるSBS-SWのカテゴリに焦点を当てたいと思います。